▶ Q01. 創業に関しての届出と経理
▶ Q02. 税務署への給与の届出書類に関して
▶ Q03. 個人での開業に関して
▶ Q04. 新規事業にあたって経理全般について
▶ Q05. 開業準備費用の処理について
▶ Q06. 法人設立前に発生する経費の領収書について
▶ Q07. 設立後の経費支払いについて
▶ Q08. 不動産賃貸契約と税務経費
▶ Q09. 開業時の経理処理
▶ Q10. 初めての帳簿つけについて
▶ Q11. 銀行の取引について
▶ Q12. 資本金の募集時の資本準備
▶ Q13. 開業資金支援について
▶ Q14. 自宅で事業する場合
▶ Q15. 父親の商売を継ぐにあたって
▶ Q16. 寄付金は経費になるのでしょうか
▶ Q17. 営業権について
▶ Q18. 社会福祉法人の設立までの必要経費の処理
▶ Q19. 会社設立時の貸借対照表について
A ご質問の件ですが、法人設立と言うことですので、まず、届出関係について、ご確認下さい。
その他もいろいろありますが、最低これだけ出していれば、ちょっと安心です。
会計・税務処理に関して
1.現金の管理をしっかりやりましょう
会社で小口現金を使用する場合には、現金出納帳をしっかりつけましょう。
現金以外は、何らかの書類で確認できる場合が多いですが、現金だけは、つけ忘れますと後で思い出せない場合が多いです。)
2.領収書等の管理
領収書等は、スクラップブックに発生順に貼りつけて保管しましょう。
簡単な方法ですが、いろいろ効果は大きいです。
上記の2つは、毎日した方が良いと思います。)
3.給与の支払いに関して
給与・報酬の支払い時には、決められた「源泉所得税」を控除する必要があります。控除していない場合、会社が負担することを求められることがありますので、忘れずに控除してください。控除した「源泉所得税」は、その支払いの翌月10日までに、納付することになっています。(上述の届出書の3番を提出していると7月と1月の2回にまとめて納付することが出来ます。
いろいろありますが、最低限、以上のことから始められると良いと思います。
A 給与の源泉徴収事務の流れから説明しますね。
という流れになります。
会社からの給与が「主たる給与」の方は、3の「給与所得者の扶養控除等申告書」を最初の給与をもらう日までに会社に提出します。これを提出した方は、税額表の「甲」欄適用者になり、源泉徴収税額表の「甲」と書いているところで、扶養家族の人数と該当する給与の金額により、徴収する税額を求めます。(上記、税額表をダウンロードし、税額を求めてみてください。)
ご質問の「税額の有無」は、全員について徴収する税額がない場合には「無」に印を付け、それ以外の場合には「有」に印を付けることになります。
この「給与支払事務所等の開設届」の提出は、税務署に「この会社で給与の支払が発生するのだったら、税金を納付するために納付書を送らないといけないな」と思ってもらう程度にとらえていいと思います。
また、源泉徴収は、預かっている税金を納めるということですので、期日に遅れると罰金が高いです。ご注意ください。
必要であれば、5の「源泉所得税の納期の特例」もご検討されたらいかがでしょうか
A 個人で始められるということですので、まずは、確定申告の必要が出てくるという前提でお答えしますね。(確定申告は、その年中の所得(利益のことです)が20万円以上あれば申告する必要があります)
必要な届出書類は下記の通りです。
その他にも、お給料を払うようになったり、状況が変わればその都度必要な届出書が出てきますが、まずは、上記の2つを提出してください。
2の「青色申告」は、必ず提出する書類ではありませんが、提出していると青色の「特典」があります。
主なものは、
ア.もしも損失が出た場合、3年間の繰越をすることができます。
イ.10万円又は65万円の特別控除(利益から控除できます)があります。
ウ.同居の家族の方が仕事を手伝った場合、一定の要件に合えば、お給料を経費として支払うことができます。
その他いろいろありますが、提出されていて、損はないと思います。
提出する書類は、国税庁のHPで、ダウンロードすることができます。
国税庁:http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/yousiki.htm
A 開業前に使った経費も、もちろん「経費」として処理することができます。原則的に開業の準備期間にかかった、交通費・家賃・その他の経費は「開業費」という「繰延資産」となります。「繰延資産」の「開業費」は任意に償却できますので、その年に一度に全額「経費」にすることもできます。
しかし、1個または1組の取得にかかった費用が10万円以上になると原則として「減価償却資産」となり、減価償却の対象となります。
(10万円以上20万円未満の場合、一括償却といって3年償却を選択することもできます。)
(また、中小企業については、H15.4.1.~H24.3.31までの間に取得した30万円未満の少額減価償却資産は、事業年度に全額損金算入(即時償却)できる特例制度が創設されました。)
A まず、創立費の内容ですが、法人税法上は、「発起人に支払う報酬、設立当期のための登録免許税等法人の設立のために支出する費用で、その法人が負担すべきもの」と規定されています。
具体的には、
■ 発起人報酬
■ 設立登記の登録免許税
■ 諸規則の作成費用
■ 株式募集等のための広告費用
■ 株式申込書、目論見書、株券等の印刷費
■ 創立事務所の賃貸料
■ 設立事務の使用人の給与手当等
■ 金融機関の取扱手数料
■ 創立総会費用
等が含まれると考えられています。
使われた経費が、上記のような法人設立のために使われたものであるなら、「創立費」に該当することになります。
この場合、領収書等の宛名は、法人の設立前ですので、個人名でもOKだと思いますが、裏面にメモをしておくなど、内容を忘れないよう記録しておいた方がいいと思います。
また、繰延資産(創立費、開業費その他)には、資産の取得に要した金額は含まれませんので、事務機器・机等で10万円以上のものは、固定資産になりますので、創立費には含めず、減価償却の対象にしてください。
(また、中小企業については、H15.4.1.~H24.3.31までの間に取得した30万円未満の少額減価償却資産は、事業年度に全額損金算入(即時償却)できる特例制度が創設されました。)
次に、その費用の負担に関してですが会社法では登録免許税以外の設立費用の会社負担については、定款にその負担する旨の記載がないときには効力がないこととされていますが、法人税法では定款に記載することは求められていませんので、法人がその設立のための費用を、立て替えてくれた個人に支払をしてもその費用は創立費に該当することになります。会社にとっては、個人に支払うべき債務があるわけですから、時期をみて支払いされれば良いかと思います。
A まず、①のご質問ですが、法人設立前ですので、領収書等は、当然個人の名前になると思いますが、その設備資産等を法人設立後に個人から購入の形で引き継げばOKです。
その他に、会社設立期間中に発生した会社に係る費用(登記以前分の事務所家賃等)も、設立第1期目の費用にすることが出来ます。(本当は、登記に係る費用以外は、定款に記載しておかないと会社の費用に出来ないのですが、通常のものであれば、記載していなくても問題ないと思います。)
次に、②のご質問ですが、臨機応変に考えてもらっていいと思います。
消費税法では、保存すべき領収書等に「交付を受ける者の氏名又は名称」が原則として記載されている必要がありますが、「省略した名称が=正式な名称の会社のことなんだとわかれば問題ない。」と理解しています。
でも、例えば助成金の申請等で添付(提示)する必要がある領収書等の場合には、省略しない社名の方が不必要なトラブルが発生しないかもしれませんね。
A 会社設立後の支払いですが、会社に必要な費用は、会社が支払うのが原則ですが、もちろん、個人で支払うときもあるでしょう。
この場合は、個人が立替て支払ったことになるので、その立替てもらった支払を後日、会社が個人に支払うと言うことでOKです。
要は、その支払が会社の運営に必要な費用であるか否かと言うことですね。
会社運営がある程度、進んできたら法人カード等を作って、法人が直接支払った方が簡単で、誤解・間違いがないとは思いますが。領収書等の取扱いですが、別途領収書(もちろん宛名が書いてある)を書いてもらうことが原則ですが、小売業・飲食業のように不特定多数を相手にする業種の場合、通常レシートの発行が領収書の代わりとしていることが多いので、その場合レシートだけでもOKです。
まとめますと、法人は、その目的に応じた活動を通して利益を上げていく組織ですので、その活動に通常必要とする費用は、原則的にすべて法人の損金(経費)になります。領収書等は、それらを証明する書類ですので、「このお金は、会社に必要な経費です」って事がわかるように保管しておいてくださいということになると思います。
A 個人契約で結んだ後,法人契約に変えた方が一般的です。
だって、会社の謄本が、まだ、ありませんものね。税務的にも問題は、有りません。
最終的に、法人契約になっていれば、税務的には、なんの問題もありません。
A 購入した備品や消耗品などは、「開業費」ではなく、「経費」として処理しても、問題ないと思います。
「開業費」は、事業開始前までにかかった経費を毎月の経費(毎月の固定費)と区分することによって、経営の状態をわかりやすく表示する意味があります。ですから、毎月の経常的な経費と区分した方が経営の成績を適正に表示することができるようでしたら、「開業費」にした方が良いですね。
結論としましては、その経費が「開業準備のための特別な経費」か「毎月経常的に発生する経費か」というところで判断されてはいかがでしょうか。
また、借入金の伝票日付も4月1日で良いと思います。
開業は、お店のオープンの前から準備が始まっていますから、オープンの日に合わせる必要はありません。きりの良いところで、4月1日に全てのスタートを合わせて頂いたらいいと思います。
A 店舗の保証金は、将来に返還される部分と返還されない部分があると思いますが、返還される部分は、その時まで「保証金」として資産においておきます。
返還されない部分は、「権利金等」の科目で、5年間で均等に償却していきます。
厨房機器は、おっしゃるように個別に減価償却の対象になります。 1個又は、1組で判定していきまして、それぞれ10万円以上の金額となると減価償却の対象となります。ただし、10万円以上20万円未満の金額の場合、3年間で3分の1ずつ償却する「一括償却」を選択することも出来ます。
また、その他の物件を探すのに係った交通費、メニューを決めるのに使った食材費等々、お店をオープンするまでに使った「費用」は、「開業費」として資産に上げておき5年間にわたって償却していきます。(1年で一度に経費にしてもよい。任意償却といいます。)
A ご質問の件ですが、出資の払い込み(出資金払込み事務取扱委託)の方は、形式的な審査があると思いますが、実態として法人の設立準備をしているのでしたら、そんなに心配することは有りません。もし仮にX銀行が受けてくれないとしても、他のどの銀行でも出来ると思います。
銀行は、実態のない法人・公序良俗に反するような法人の設立に注意するように指導を受けていますので、それ以外でしたら、原則として断る理由はないと思います。注意点としましては、銀行またその支店によって、取扱に係る日程に差がありますので、早めに銀行と話をして、日程に余裕を持つようにされた方がいいですね。
当座取引の方ですが、これは、「事業主個人」と「銀行」の信用状態に大きく依存します。個人取引でも、実績があるのでしたら、そんなに難しいことではないと思いますが、法人から新規で口座開設ということになれば、信用実績を積むまでしばらく時間がかかるかもしれませんね。
銀行としましては、小切手に銀行の「信用」を供与することとなりますので、慎重に検討するのが通例です。
法人が設立出来たら、早めに要望を伝えておいてはいかがでしょうか。
A まず、株式に関してですが、平成13年の商法の改正で、取扱いが大きく変わりました。従来の「額面株式」が廃止になりました。ですから、結果的に、すべての株式は「無額面株式」ということになります。
この取扱いは、平成13年10月1日からとなっていますので、それ以前に設立されていた会社の「額面」は、すべて法務局の職権で削除されます。それ以後の謄本を見ていただくとわかるのですが、資本金に関しては、「発行済株式の総数」と「資本の金額」の2つだけになります。これから、法人を設立されるのでしたら、決めなければならないことは、「資本金の金額をいくらにするか」と「何株、発行するか」と「1株の発行価格をいくらにするか」いうことになります。
例えば、1株を6万円(1株につき6万円を払い込んでもらう)で200株を発行しますと、1,200万円の払い込みがありますよね。そのうち、いくらを「資本金」にするかを決めます。1,000万円を「資本金」にしますと、差額の200万円が「資本準備金」となります。
これを仕訳にしますと、
(借方) | (貸方) | ||
---|---|---|---|
預 金 | 1,200万円 | 資本金 | 1,000万円 |
資本準備金 | 200万円 |
となります。
資本準備金は、利益準備金と合わせて「法定準備金」と呼ばれますが、この「法定準備金」は、資本金の4分の1まで、積み立てることになっています。
逆に言えば、その4分の1を超える額は、取り崩して「配当」したり「損失の補填」に使うことが出来ます。
「資本準備金」と「利益準備金」は、その性格がまったく異なるため、どちらの準備金を積み立てたり、取り崩したりしたかは明確に処理することが必要です。
資本準備金の性格は、基本的に「株主」の方からの払込ですので、「資本金」と同様です。ただ、「資本金」として拘束していませんので、「登記」はしませんが、税務上の取扱いは、「資本金」と同様に扱われます。乱暴ないい方をさせてもらえば、「制限の多少緩い、資本金」と考えてもらえばいいかと思います。
A 両親からの資金借入の方法ですが、もちろん可能ですよ。
ご心配されているのは、「贈与」に該当しないか?ということだと思いますが、親子関係という特別な関係がありますので、「贈与」と認定されないように注意する必要はありますね。ポイントは、他の者とすると同じように「約束」して「実行」することだと思います。
■ 契約書の形で書面に残しておく
■ 約束した内容できちんと返済を実行する
ということだと思います。
「ある時払いの催促なし」はまずいですね。
次に、「両親から分割して資金を受ける」ということですが。これは、お金をもらう(贈与してもらう)ということでしたら、注意して頂きたい点があります。
「贈与税の非課税枠」と「連年贈与の認定」です。「贈与税の非課税枠」は、一般の場合年間110万円です。この金額まででしたら、贈与税はかかりません。
また、「相続時精算課税税制」というのを使うと、65歳以上のご両親から2,500万円までの贈与を受けた場合にも贈与税はかかりません。
(ただし、相続が起こったときに精算されます。)
もう一つの「連年贈与」ですが、毎年計画的に一定の資金を贈与すると約束すると、その贈与は、約束したときに一度に贈与されたものと認定されることがあります。ケースとしては、まれですが、たとえば、「毎年100万円を10年間、合計1,000万円を贈与します」という約束は、「連年贈与」と認定される可能性が非常に高いと思います。
また、分割返済の予定で資金を借り入れるという意味でしたら、最初にお答えしましたように、「借りたものは返す」ということでしたら、問題はありません。
また税金の面から言いますと、法人組織にして「出資」してもらうということでしたら、「出資」自体に税金はかかりませんし、原則的に返済の必要もありません。 利益が出れば、「配当」が可能となりますし、将来の相続対策としても、有効な手段として活用できる可能性があります。
A ご質問の件ですが、確かに明確な基準を設けにくいところです。
原則としては、税務の基準は、その事業にかかる必要経費を一般に公正妥当と認められる会計処理の方法に従って処理をすればよいことになっていますので、合理的で、納得性の高い、できれば客観的な基準を決めて区分処理をしてくださいということになります。
実務でよく使う指針は、「面積」「時間」「利用頻度」などで、その状況に応じて決めています。例えば、個人事業で自宅を事務所として利用している場合、主に仕事に使っている部屋の面積に応じて経費部分を出したり、光熱費関係は利用時間を基準にしたり、電話料金はその使用頻度によったりしています。
まず、法人の事務所としての利用を前提にされているとの事ですので、法人で賃貸契約をして「家賃」はすべて法人の「経費」とし、その上で、社宅に相当する部分の賃料を法人が個人から徴収します。
この徴収する社宅賃料は、支払家賃の50%以上とします。(所基通36-40、36-43) 光熱費・通信費に関しては、使用状況に応じて、決めます。
自動車に関しては、業務に利用することを前提に法人に売却します。法人所有の法人利用ですので原則的に100%法人の経費とします。
ちょっと大胆に、経費算入の考え方の一例を書いたつもりですが、本当にケースバイケースです。
A 法人として引き継ぐということは、お父さんの個人事業を廃業して、法人組織を新に設立することになります。引継時に検討しなければならないことは、資産・負債の引継です。
個人に譲渡所得が発生しないように考える必要があります。
例えば、商品在庫を引き継ぐには、適正な価額(通常販売価額の70%以上)で法人に販売した事になりますので、その分、個人の最終年度で所得が増えます。
また、貸倒引当金を設定している場合には、最終年度は、設定しないことになりますので、その分、所得が増えることになります。 それと、個人所得の最終年度になりますので、「個人事業税」を忘れずに、個人所得の経費に入れておく必要があります。
また、店舗に関してですが、個人の自宅の一部を今後「法人」で使用することになるのでしたら、個人と法人の間で、「賃貸借契約」をすることになりますが、この所得は、個人の「不動産所得」となりますので、お父さんの「給与・報酬」を決定する際、考慮する必要があると思います。
後、まだいろいろあるかもしれませんが、文面から推測できる部分についてお答えしました。
A まず、現在の寄付金に関する税制について簡単にご説明しておきます。
寄付金の種類は、次の4つに分類されてそれぞれ取扱が定められています。
ご質問のNPO法人は、現在のところ「人格のない社団等」の扱いになっており、「公益法人等」の扱いにはなっていません。ですから、適用される寄付金の税制は、上記の3番または4番になります。具体的な損金(経費)となる金額は、次の算式の金額までとなります。
算式 資本金等の0.25%と利益の2.5%との平均額
例えば、資本金が500万円で、当期の利益が100万円だとしますと、
(500万円×0.25%+100万円×2.5%)÷2=37,500円ということになります。
とっても少ない限度額ですので、1つの法人の寄付金だけですと、グループホームが出来るのは、いつのことかわからないことになってしまいます。(もちろん、経費にならなくてもよければ、寄付金はいくらしてもいいですけれど。。。)
営利法人を作って、そこからの収益から寄付をして、NPO法人でグループホームを運営するとなると、ちょっと時間がかかりすぎるような気がします。
介護保険の指定事業者には、ご存じのように民間の法人もなれますし、厚生労働省では、グループホームに対する助成金も検討されているようです。 介護保険制度は、優秀な民間企業の参入を促すことで、いい意味での競争が起こり、結果的に利用者の方に「良いサービスを選ぶ権利」を持ってもらうという考えがあると理解しています。 そこで、グループホームの運営を「新たに設立する予定の法人」でする事は、検討できないでしょうか?
一般の法人でも、法律の範囲内で節税して、ある程度の資金を将来の目的のためにプールすることは出来ると思いますので、グループホームを運営するという目的は早く達成できると思います。
A ご質問の内容が、ちょっとデリケートな部分もありますので、前提となる条件を限定してお答えします。
現在の想定される状況
上記のような状況であれば、営業権(のれん)に対しての課税関係は発生しません。営業権については、原則的に有償によって取得した場合に資産として認識されます。これは、簡単にいえば、営業権の性格が、必ずしも客観的でない部分が多いということだと思います。4番について、もし、何らかの対価を支払うようであれば、慎重に検討する必要があると思います。
まず、営業権としての価値が本当にあるかということです。営業権は、他の同業企業の正常的な利益よりも大きな利益を確実に予想されるようなその企業の持つ有用性・特権(その企業の特別な強み)と理解されています。
次に、その営業権の評価額が適正であるかどうかです。この評価にはいろいろな方法があり、ここでのご説明は割愛させていただきます。
上記の2つの条件がそろいますと、たとえ「営業権」の譲渡があっても、税務上問題になることはないと考えます。この場合の、お父さんの所得は、「譲渡所得」になると考えます。(特殊な条件の場合には、「雑所得」になる場合もあります。)
想定した条件が異なっている場合とか、その他の状況によっては、贈与・受贈益の認定課税等が考えられますが、単純な状況を想定してお答えしました。
社会福祉法人の創設は、基本財産の寄付や施設建設と連携して進めなければならず、かなりの労力と日数を要します。その間の支出として想定されるのは、
といったところですが、これらは法人設立後に、法人に請求することが出来るのでしょうか? また、出来る場合は、その為に今しておくべきことは何なのかを教えて下さい。一応、現金出納帳(支出だけですが)的なものはつけているのと、レシートや領収書は保管しています。ただ、すべて領収書をもらっているわけではありませんが。
A 営利法人(株式等)の場合でしたら、問題なく会社の経費にすることが出来ます。
定款に事前にかかった経費は法人の経費として処理する旨の規定を入れておく必要がありますが、全て個人に支払えます。対して、社会福祉法人の場合には、このように定款に記載すること自体が出来ません。
そこで、この経費の負担を法人に負担させることが出来るかどうかということになるのですが、今のところちょっとはっきりしません。許認可が都道府県知事となりますので、各都道府県によって異なる取扱が考えられます。今の状態でしたら、その支払状況を記録して、証憑書(領収書・契約書等)の保存をしておけばよいと考えます。
後半のご質問ですが、レシートでもその支払の状況が現金出納帳その他の資料で明確になっているので有れば、OKです。これは、その支払が客観的に見て適正かどうかの問題だと思います。 一方で、消費税に関しては、明確に保存資料として、次の5つの要件が原則的に必要です。
発行者の氏名又は名称
以上です。
この規定にも例外がありまして、通常不特定多数の方を相手とする事業者(小売業者、飲食店業者等)が発行するレシートは買い手の支払い者の氏名等がないことが通例ですので、記載は不要となっています。ですから、消費税のことも含めて考えると、原則として領収書はもらった方がベターですが、通常レシートの発行で領収書に代えている場合にはそれでもOKという理解でいいと思います。
A さて、ご質問にお答えしていきます。
まず、創立時の貸借対照表の書き方ですが、難しく考える必要はありません。
会社が出来たばかりの「貸借対照表」ですので、「資本金」とそれに見合う「資産」(一般的には預金だと思いますが。)だけで、バランスさせます。
下記のような仕訳になります。
(借方) | (貸方) | ||
---|---|---|---|
預 金 | ××× | 資本金 | ××× |
これで、開始貸借対照表を作成して、税務署に届けて下さい。
次に「商品」「パソコン」「マンション」等の取扱ですが、これらを会社の「資産」にするには、個人から会社が買い取る形にします。
会社の仕訳は、次のようになります。
(借方) | (貸方) | ||
---|---|---|---|
仕入 | ××× | 未払金 | ××× (期末に棚卸の仕訳をします) |
器具・備品 | ××× | 未払金 | ××× |
マンションも、会社の資産にするには、同様に会社が買うことになるのですが、個人にしてみれば、譲渡になりますので、税金等注意が必要です。
自宅で、会社を設立した場合、一般的には、自宅の一部を会社に賃貸する形が多いです。会社が払った「賃貸料」は、会社の経費になりますが、個人が受け取ったものは、不動産所得の収入になりますので、個人の確定申告が必要になります。個人の確定申告が面倒な場合、賃貸料を取らない場合も多いです。どちらの場合にも、水道・電気・固定資産税等のうち会社が使用した分を会社の経費にすることが出来ます。
以上ですが、もし、分かりにくい点、説明不足の点等ありましたら、ご指摘下さい。