▶ Q01. 帳簿について
▶ Q02. 領収証、伝票について
▶ Q03. 個人事業者からの仕入れについて
▶ Q04. 資金移動表、資金運用表、資金繰り表について
▶ Q05. 租税公課とは?
▶ Q06. 携帯電話代について
▶ Q07. 必要経費について
▶ Q08. パソコン購入費計算の件
▶ Q09. 車の売却値について
▶ Q10. 設備投資の資金について
▶ Q11. 事務所移転の際の経理について
▶ Q12. 事務所移転の保証金について
▶ Q13. 課税事業者の仕訳について
▶ Q14. 手形の会計処理について
▶ Q15. アルバイト費用について
▶ Q16. 従業員の源泉所得税について
▶ Q17. 講師料の源泉税について
▶ Q18. 個人事業者への源泉税について
▶ Q19. 源泉税の納期特例制度について
▶ Q20. 取締役の報酬について
▶ Q21. 有限会社の取締役について
▶ Q22. 株主と社員の関係について
▶ Q23. 協同組合会計について
▶ Q24. 組合会計について
A ご質問の件ですが、簡易帳簿のことをご質問されていますので、青色申告を前提にお答えしますね。
青色申告者は、原則として正規の簿記の原則に従い複式簿記により記帳することになっています。(所法148条、所規56条~64条)。
しかし、一応の簿記の知識がなければ記帳できない複式簿記によらなくても、売上や売掛金の帳簿など、商売上誰もが記帳している帳簿によって簡単に青色申告ができるように、
も認められています(所規56条、所法67条の2、昭和42年財務省告示第112号)。
なお、青色申告者が正規の簿記により記帳するか簡易簿記の方法により記帳するかは、青色申告者自身が選択することになっています。
簡易簿記による方法の記帳をした場合の備付帳簿は次のとおりになっています。
簡易簿記で記帳する場合の備付帳簿
青色申告者は、次のような帳簿を備えて簡略な記帳をするだけで良いことになっている。
(1)現金出納帳
(2)売掛帳
(3)買掛帳
(4)経費明細帳
(5)固定資産台帳
もちろん、売掛・買掛がない場合には、(2)及び(3)は、必要ありませんし、固定資産がない場合には、(5)は必要ありません。ただ、上記の帳簿がないと損益計算書が作れませんので、作成する必要があります。
要は、最低限、損益計算書を作成するために取引を記録した帳簿が必要になるということです。
会計ソフトを導入して、経理を行う予定であれば、複式簿記の方法による「仕訳帳」「総勘定元帳」等は、会計ソフトが自動的に作成してくれますので、わざわざ単式簿記を選択しなくてもいいと思います。会計ソフトを利用して経理を行う場合には、証憑書(領収書・請求書等の証拠書類)の保存と「現金出納帳」の記帳をすれば、あとは、関係資料を基に入力して行くだけです。
証憑書は、5年間の保存が義務付けられていますが、ただ保存しておけばいいと言うわけではありません。必要なときに、必要な証憑書を出せるような状態にしておく必要があります。また、現金出納帳が必要になるのは、現金取引の証明のためです。(銀行取引のように第三者が証明してくれるような資料が残らないため、手書きの現金出納帳は、貴重です。)
複式簿記の方法でも、簡易簿記の方法でも基本となる帳簿は、「現金出納帳」ですので、あとの帳簿は、会計ソフトを利用するか、必要な帳簿を手書きで作成するかの選択になると思います。
A ご質問の領収書の件ですが、これから、長いつきあいになる大切なことですね。まず、レシートの取扱いですが、基本的には大丈夫です。
領収書等に関する規定は、消費税法に明文化されています。1.作成者の氏名・名称2.日付3.内容4.金額5.受取側の氏名・名称の5つが記載されている必要があります。
但し、小売店、飲食店等が発行するレシートには、買い手の氏名・名称が記載されていないのが通例ですので、5の氏名・名称が記載されていなくても構いません。
それと、宛名の件ですが、個人名となっている場合でも、その経費が、法人の事業に関するものでしたら、問題はないと思います。ただ、最初から、法人の名前になっている方が、いらない説明をする必要もないと思います。
あと、但し書きの件ですが、3の内容を書いてもらうことになっています。例えば、「食事代」「コピー用紙代」等です。要は、その経費の内容がある程度わかる必要があるということです。
最後の伝票に件ですが、手書きの伝票でないとダメという規定は、ありません。ただ、伝票・現金出納帳は「手書き」をお勧めします。それは、「証拠能力」が強くなるからです。パソコンで、ポンポンと入力をすれば、帳簿は出来てしまいますが、ボタン1つで変更も簡単に出来てしまいます。
一方、「手書き」の伝票・現金出納帳であれば、仮に訂正・削除等があると、すべて痕跡が残っています。より、客観的な証拠能力が強くなります。
ですから、パソコンだけで会計をする場合、例えば、「訂正・削除」の記録が残るようにするとか、「伝票」と「領収書等」にそれぞれ連続番号を付して対応するようにするとか、「現金帳」は印刷の上保存し、実際の現金有り高と照合した「チェックのしるし」を残しておくとかの工夫をした方がいいと思います。
A 会計記録の証拠能力に関してですね。ご質問は、会社を守るためにはとても大切なご質問だと思います。
まず、大切なことは、会計帳簿は、それ自体が「証拠」となるということです。刑事訴訟法323条に次のように定められています。
第三百二十三条前三条に掲げる書面以外の書面は、次に掲げるものに限り、これを証拠とすることができる。 |
二商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面 |
つまり、日々記帳された「商業帳簿」それ自体が証拠となりますよということになっています。
外部証拠である「領収書」「請求書」「納品書」等は、会社が作成する「帳簿」と関連付けられることによって、より強い証拠資料となります。
現実のすべての取引において、「領収書」がすべてそろっているということは、まれです。銀行の振り込みでの支払、自動引き落とし、公衆電話、自動販売機、電車・バス等の支払などは一般的に「領収書」がないことが通常です。
これらの場合には、預金通帳の印字記録、出金伝票、交通費精算書、現金出納帳などの帳簿書類によって、その出金を証明することになります。なので、銀行振込み・代引きなどの紙でも、OKですよ。
但し、繰り返しになりますが、毎日の「帳簿」への記録は、非常に大切ですので、帳簿と関連付けるように「日々」記録・保存をするようにされることをおすすめします。
A 損益計算書・貸借対照表・資金移動表・資金運用表・資金繰り表をそれぞれを簡単にまとめますと、下記のようになると思います。
■ 資金移動表
2期分の貸借対照表と前期の損益計算書から作成する表で、損益計算書をキャッシュベースに変更し、その他資産・負債の増減から資金の動きを追加した簡単な「キャッシュフロー計算書」です。
■ 資金運用表
貸借対照表の期末と期首を比較し資産・負債の増減から資金の調達状況と運用状況を分析する表です。
■ 資金繰り表
ある一定期間の資金の増減実績を表したり、将来の資金の増減を予測したりする表です。
また、上の3つは法的に作成が求められているものではなく、必要に応じて企業等が作成するものです。しかし、より健全で安全な企業経営を目指すのでしたら、決算が終了しましたら「資金移動表・資金運用表等」で資金の状況を分析し、期中は「資金繰り表」を作成して常に資金の状況を把握することは大切だと考えます。
資本準備金は、会社法でいくつか定められていますが、株主が払い込んだ「資本の一部」としての性格を持っているということで共通点があります。つまり、資本金と同じ性格を持つものですですから、本来は資本金に準じて拘束されるべき性格のものです。
しかし、平成13年の商法改正で、資本の4分の1を控除した法定準備金(資本準備金及び利益準備金)は一定の手続きを経て取り崩すことが可能となったので、この意味からは、利益準備金との区別は少なくなってきたといえます。
A 租税公課の内容としましては、
(1)国税の利子税
(2)自動車取得税、自動車税、重量税
(3)収入印紙
(4)不動産取得税、償却資産税、固定資産税
(5)前期確定事業所税・事業税
(6)登録免許税
(7)社会保険料の延滞金
(8)罰科金、罰課金
(9)加算税
(10)不足消費税の納付額
等々がありますが、一般的には、(2)(3)(4)を考えておけばいいと思います。
納付の額は、売上の%ではなく、取得した固定資産等の内容等によって決まったり、事業所の面積によって決まったりします。
例を何点か挙げてみますね。
(1)「償却資産税」
取得した内装工事、その他の什器備品とうにかかる税金で標準となる税率は1.4%です。ただし、合計金額が150万円以下ですと免税となります。
(2)「収入印紙」
作成した契約書、領収書等にかかる税金で、3万円以上の領収書の場合100万円までは1通につき200円です。
(3)「自動車税」関係
自動車重量税、取得税、自動車税等、その取得する車両の種類に応じてかかってきます。
以上ですが、損益分岐点の分析をする上では、概算になると思いますが、年間のおおよその金額を見積って、1ヶ月に割ってはいかがでしょうか?
A ご質問の件ですが、できますよ。
法人の業務に関連する経費は、当然、法人の経費にしていただいていいです。
逆に言えば、個人のプライベートに使用している分は、法人の経費にすると、その分は、個人に対する「給与・賞与」になります。
出来れば、「業務に関連する分」と「それ以外」に、請求を分けてもらうとはっきりしますよね。キャリアによっては、このようなサービスをしてくれるようです。
問題は、「業務に関連する分」と「それ以外」をどのように区分するかということなんですが、相手先の電話番号で区分する・話の内容によって区分する等、理屈の上では、可能だと思いますが、現実問題としては、「本人の判断・主張」によるところが多分にあります。
社長さんは、「ほとんど仕事にしか使ってない。」といわれるので、全額会社の経費にしている方が多いです。この区分をはっきりさせる方法として、法人の契約に変更するというのも有効かと考えます。
法人は、「利益を追求するもの」をいう考え方がありまして、法人が行う経済的行動は、原則的に、その目的に添ったものであることが前提だからです。
いろいろ書きましたが、まとめますと、「この経費は、業務に関連している」と、はっきり主張できるなら、法人の経費にしていただいていいということでになります。
A ご質問の件ですが、「認められる」というのは、「税務署」にという意味でしょうか?
それとも参考となる「経営指標」は?ということでしょうか。
前者の「税務署」ということでしたら、「法人税法」に定められています。下記に簡単に書きますね。
損金(経費)の額とは、
特に法令に定めている事項
上記以外のもので、その事業年度の費用及び損失
(1)売上原価等、収益に対応するもの
(2)販売費、一般管理費その他の費用
(3)その他の損失の額で資本等取引以外のもの
ということになっていますので、事業に必要な費用は、原則的に「損金」にできます。(一部、交際費・寄付金・役員賞与・高額な報酬等に制限があります。)
また、法人設立するまでに必要となった費用は「創業費」として、法人設立後、営業を開始するまでの費用は「開業費」として、繰延資産となります。(いったんは資産になりますが、最終的に経費にすることができます。)
次に、後者の「経営指標」という意味でしたら、「業種・規模・事業計画」等によって参考となる「経営指標」に大きな差があります。下記のサイトで、業種別の詳細な経営指標が見ることができますので、参考となる指標を探してみてください。
「中小企業庁」http://www.chusho.meti.go.jp/
「TKC」http://www.tkc.jp/clientcompany/bast/
そして、セミナーの件ですが、それらのセミナー等が事業を遂行するために必要な費用であるなら、OKです。認められます。
例えば、海外の会社と取引するために「英会話」が必要になったので、「英会話教室」に通う費用。また、人脈を広げるために参加する「各種交流会」等ですね。
A 業務の用に供していないものを業務の用に供した場合の計算は、次のようになります。
A 車両の売却ですが、この売却による所得は譲渡所得(総合課税分)になります。譲渡所得(所有期間5年以内の短期譲渡所得の場合)の算定は、次のようになります。
算式;譲渡所得=譲渡による収入-取得費-特別控除額(50万円)
取得費は事業用に使っていた減価償却資産の場合は、
取得費=取得価額-事業所得等の金額の計算上必要経費とされた減価償却累計額となり、
事業用以外の資産の場合には、
取得費=取得価額-同種の事業用資産の耐用年数の1.5倍の耐用年数の定額法による年償却額×経過年数(6ヶ月以上1年、6ヶ月未満切り捨て)
となります。
それから、中古の耐用年数ですが次の算式で求めます。
ですから、ご質問の自家用車が非業務用であることを前提にすると、
以上のような計算になると思います。(取得月、経過年数等をご確認の上もう一度、ご自分で計算してみてくださいね。)
以上、今回の場合、特別控除の50万がありますので譲渡所得の問題はありません。
それと、譲渡の金額は適正価格(第三者同士で成立するであろう価格)が原則となります。価格が適正かどうかのご質問ですが、車両の状態等がはっきりわかりませんが、そんなにおかしな金額には感じませんでしたよ。
また、譲渡所得は歴年単位で計算しますので、今年中に他に譲渡がないという前提ですので、よろしくお願いします。
A ご質問の件ですが、簡単な事例でご説明していきますね。
事例必要な店舗の改装・設備500万円耐用年数5年リース期間5年リース料率2%
上記の条件で、「手持ちの資金で設備投資」をした場合と「リースを利用」した場合とを比較してみます。
となります。
正確には、リースの条件、償却資産税、保険料等の要素がありますので、もう少し複雑な比較になってきます。
ポイントは、どちらの方法によっても、一定の計算によって必要な経費として計算出来ます。リース料には「金利、税金、保険料」が含まれています。リースをうまく使うと手持ち資金に余裕が出来ます。ということだと思います。
新しく事業を始めようとしますと、資金計画が大切になってきますが、手元にある程度の余裕があると、いざというときに助かりますね。
税金の有利・不利も問題より、資金計画への影響の方を大切に考えた方がいいかもしれませんね。
A 事業所が変更になったということですね。
そういうことでしたら、事業そのものを廃止して、新たに開業したわけではありませんので、経理上なんの変更も必要ありません。
ただ、所得税の納税地の件ですが、「住所地」で申告しているでしょうか?
それとも、「事業所」で申告しているのでしょうか?
個人の所得税の納税地は、原則「住所地」ですが選択により、「事業所」での申告もできます。
仮に「事業所」での申告をしているなら、「納税地の変更届」を提出する必要があります。(納税地に選択している「事業所」そのものが移転するため)
「住所地」で申告されている場合には、納税地の変更はありませんので、届出の必要はありません。ただし、確定申告書・決算書に「事業所」の記入欄がありますので、変更後の「事業所・お店の名前」を記入して、申告して下さい。
それと、償却していない内装は、当然、持ってこれてないと思いますので、一括の経費にしていただいて結構です。
正しくは、使用していた月数分「減価償却」をし、残りの簿価相当額を「除却損」として、損金にすることになります。
A 残念ですが法人税では「損金(経費)」として処理できません。
まず、40万円の保証金(戻ってこない分)は、「繰延資産」として、5年間での均等償却をすることになります。
また、レイアウト変更にかかった70万円は、その内容が詳しくわかりませんが、1単位当たり(1個または1組、1揃え)10万円以上の減価償却資産については、その種類に応じた耐用年数で減価償却をすることになります。
(20万円未満の「三年一括償却」の対象をのぞく)
ご質問のように、それぞれの金額を決算書の段階で「経費」にすることは可能ですが、法人税の「損金」にはなりませんので、申告書で利益に「加算」する処理を行うことになります。
A ご質問ですが、消費税の納税義務があるかないかの判定は、その年度の前々事業年度(基準年度といいます)における課税売上高が3,000万円以下であるかどうかによって決まります。但し、平成16年4月1日以後開始する課税期間からは、1,000万円に引き下げられます。
設立1期目の法人の場合、基準年度はありませんので、自ら課税事業者を選択した場合を除いて納税義務はないことになります。(資本金等が1,000万円以上である「新設法人」を除く)
出資金が1,000万円以上の場合は、設立1期目から、課税売上高が3,000万円以下であろうが消費税の納税義務があります。
そうでなければ、今期の課税売上が、3,000万円を超えても消費税の申告は必要ありません。課税売上高が3,000万円を超えた事業年度の翌々期(2年後)から消費税の納税義務者になりますので、その時からは消費税の処理が必要になります。
A 「売上割引」は、販売年度に関係なく、その割引があった年度で処理をします。
回収は、やっぱり、早いほうが良いですが、5%は、ちょっと痛いですね。
A アルバイトの方に支払う報酬の形態には、2種類考えられると思います。
「雇用形態」と「請負形態」です。
事業者が使用者を「雇用契約」で、「給料」を支払うか、「請負契約」で、「外注費」を支払うかの違いがあります。
(そのほか責任だとか消費税の取扱とかの違いもあります。)
文面から推測しまして、雇用契約の形だと思いますので、この場合について説明しますね。
支払うお金は「給与」となり、支払をするときに「源泉徴収」(所得税の天引き)が必要になります。
金額は、厚生労働省の定める最低賃金以上でしたら、いくらでも問題はないと思います。一般的なお給料の基準は「時間」になります。ですから、「時間給○○円」だとか、「1日○○円」だとかで契約することになると思います。
基本的には、雇用条件を文章で示す必要がありますので、雇用契約書はあった方がいいと思いますが、実務的にはない場合の方が多いですね。
源泉徴収する場合の、税額ですが、「源泉徴収税額表(日額表)」を使います。この表は、「国税局」のページでダウンロードすることが出来ます。
アルバイトを雇用する場合に注意する点は、そのアルバイトの方の管理をしっかりしておく点だと思います。アルバイトの方の名前・住所・扶養家族等を届けてもらう「扶養控除等申告書」を提出してもらい、支払の証拠を(領収書又は、銀行振込等)を残しておきましょう。
また扶養家族がいる場合の源泉額はどうなるのでしょうか?税務署でもらった、計算式では交通費の扱いとかが今ひとつわかりません。
そして、本人がかけている、国保や国民年金とかも控除の対象になるのでしょうか。実は、今月の給料で、給与の10%を差し引いてしまいました。取りすぎた場合、どのように返せばいいのでしょうかA 税務署で源泉徴収の税額表をもらってきていますか?もし、まだでしたら、国税局からダウンロードしてみてください。
さて、まず交通費の取り扱いですが、交通機関を利用する場合には月額10万円までの非課税が認められています。(もちろん実費までですが)この非課税は、給与所得の非課税ですので、所得税の対象外です。
ご質問の場合、次のような計算になります。
例えば、給与34万(交通費3万円を含む)(従業員さんが、「扶養控除等申告書(主たる給与の支払い者に扶養家族の名前等を記載して提出する書類)」を提出している「甲」欄の適用者とします。)
文章で書くとややこしく見えますが、実際、税額表をみながらすると全然簡単ですよ。
税額表を使わずに、コンピューターで計算する場合の計算式もありますが、実務的ではないので実務ではあまり使われていないと思います。
また、徴収しすぎた場合ですが、まだ徴収した源泉税を納付していなければ、差額を従業員さんに返してあげればいいと思います。すでに、納付が終わっている場合、税務署から「誤過納」分を返還してもらうのは、いろいろ書類をそろえる必要があり、ちょっと面倒です。
源泉された税額は、最終的には、年末調整で精算されることになりますので、それまで従業員さんに待ってもらうか、面倒でも書類をそろえて税務署から還付してもらうかということになります。
必要な書類は、給与台帳、扶養控除等の申告書、誤過納の還付申告書等ですが、会社で作成している書類によって若干違うと思いますので、直接税務署に問い合わせてみてください。
それと、蛇足ですが、本人負担の社会保険料を会社が負担することは、法的に禁止されていません。実際、外資系の会社では健康保険・厚生年金の全額を負担している会社があります。(うらやましいですね。)
A ご質問の文面からは、講師の方に講演を依頼し、報酬を支払う際、報酬の中に講演に関連する他の雑業務も含まれているというような意味合いにもとれますが、もしそのような意味でしたら、支払う報酬は全て「講師料」として源泉徴収の対象となります。
また、「講師料」に対応する業務と「コピー、司会等」に対応する業務を別々に依頼している場合(別の人)には、ご指摘の通り、「講師料」は、源泉徴収の対象になりますが、「コピー、司会等」の事務的な仕事に対する報酬に対しては源泉徴収の必要はありません。
但し、あくまで実質面で判定してくださいね。支払の名目を「コピー、司会等」としても、実態が「講師料」でしたら、当然、源泉徴収の対象となります。
源泉徴収の対象となる「報酬・料金等」は、所得税法204条1項1号、所得税法施行令320条、に規定されていますので、ここに規定されている報酬等は源泉対象になり、規定されていないその他の報酬は源泉対象にならないことになります。
また、法律の解釈については、所得税基本通達204-6~204-10が参考になります。ご興味がありましたら、アドレスを下記に記しておきますのでご参考にしてください。原稿等の報酬又は料金(第1号関係)・・http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/36/02.htm
ご質問の「源泉徴収の線引き」なんですが、どのような報酬が源泉徴収の対象になるかは、条文上明らかにされていませんが、私の解釈は、「個人が特殊な能力・技術・資格を活用して報酬を得る業務」にかかる報酬・料金等が源泉徴収の対象となるように理解しています。
でも、これらの法律が作られたのは、昭和40年頃です。当然、特別な能力等を使って報酬が得られる仕事の範囲・内容は変化してきていると思いますが、その変化に法律の改正が追いついていないと思います。
このあたりが、「どの辺で・・・」という疑問につながっていると思いますが、同感です。実務での対応としましては、所得税法及び所得税法施行例に掲げてある「報酬・料金等」は、源泉徴収の対象として源泉徴収してあげて、確定申告で清算してもらう。その他の報酬は源泉徴収の対象とならないので、確定申告の時にその分納めてね。ということで割り切って対応していただく事になると思います。
A 源泉徴収のご質問ですが、徴収税額の計算方法は、その支払いの内容によって異なります。
また、相手が個人であっても、源泉徴収の対象にならない支払もあります。まずは、源泉徴収の対象になる支払を簡単に説明しますね。個人に対して支払をする場合の対象は、次の8つです。
A 源泉税の納付は、社員さんの給料の源泉税と同様に取り扱って下さい。
納期の特例は、その支払い者(源泉徴収義務者)に適用されます。
ですから、給料の源泉だけでなく、報酬の源泉もその対象になりますので、給料の源泉を納めるときに、併せて報酬の源泉を納めることになります。
A 役員に対する報酬を、売上に応じて変動させることは出来ません。
支払は可能ですが、一定部分が損金(法人税の経費)にならないことになります。
具体的には、売上に関係なく支給されることとなっている金額(最低支給額等)を超える部分の報酬については、役員賞与として取り扱われます。
役員賞与は、法人税の損金にならないということになります。このような取扱は、役員との契約は会社法上の委任契約に基づいていることと役員報酬は、恣意的に変更させやすく、利益操作につながるからという理由によるものだと考えています。
ここで問題は、どのような人が役員として扱われるかですが、税務上の役員は、会社法とは少し異なっています。税務上役員となる人は以下のような方です。
以上の方は、税務上の役員となりますが、これとは別に「使用人兼務役員」といって、名前は役員ですが、実質使用人としての仕事をしている方についての取扱があります。
使用人兼務役員については、使用人部分に相当する賞与は、損金に入れることが出来ます。
例えば、取締役営業部長(課長)とか、支店長とかの場合には、役員ですが、使用人としての仕事もしているわけですから、使用人としての給与・賞与は一般の従業員と同じ経費処理が出来ることになっています。
では、どのような方が「使用人兼務役員」になれるかというと、ちょっと複雑ですが、ご説明しますね。(以下、条文の要約)
「使用人兼務役員」とは、役員のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事している者をいう。ただし、次に掲げるものを除く。
社長、副社長、代表取締役、専務取締役、常務取締役等これらに準じる役員
監査役
次の全てを満たしている者
1)持ち株割合が50%以上となる株主グループのいずれかに属している
2)その役員のグループが10%以上持っている
3)その役員及び配偶者等が5%以上持っている
ということになっています。
ちょっとややこしいかもしれませんが、5%以上の株を持っていなくて、実質的に従業員と同じような仕事をしている場合には、「使用人兼務役員」になる可能性があり、そうなると、使用人としての仕事に対する報酬は、成績に応じて支払うことも可能となります。
この判定は、形式的な基準(登記簿にどのように登記されているかと持ち株数の状況)と実質的な基準(その法人の経営に従事しているか否か)によって判定されます。
以上まとめますと、税務上の役員でしたら、「毎月一定額の報酬」を超える部分はアウトとなり、使用人兼務役員でしたら「変動」してもOKということになります。ご理解いただけましたでしょうか?
A ご質問の役員報酬の件ですが、結論から書きますと、期中において臨時総会等の決議により変更は可能です。役員報酬が、税務上問題となるのは、次の2つの観点からです。
ご質問の場合は、報酬の減額ですので、上記のいずれにも該当しません。
注意しないといけないのは、報酬を減額した後、再度増額する場合です。この場合には、その増額が高額すぎないかという点と、さかのぼって増額等し場合に、その支払が臨時的な報酬に該当しないかと言うことです。
また、議事録の記載要件については、特に税務上決まっていると言うことはありませんが、報酬の変更理由を議事録に記載しておいた方がいいと思います。なぜならば、「経営の状態が著しく悪化したことその他これに準ずる理由」による報酬減額改定については、税務上支給額全額の損金算入が認められますが、一時的な資金繰りの都合や単に業績目標に達しなかったこと等では、損金算入が認められないことがあるからです。
なお、役員報酬の変更は取締役会の権限ですが、出資者の会議(臨時社員総会)で決定しても、同様に認められます。
A 税務上役員とみなされるものには、大きく分けて次の2種類です。
①会社法上の役員取締役・監査役・理事・監事・清算人等(登記簿に登記されている)
②税務上のみなし役員
(イ)使用人としての地位のみを有する者以外の者で、その法人の経営に従事している者(総裁、会長、相談役、顧問、理事長その他これらに準じる者で取締役・理事になっていない者)
(ロ)同族会社の使用人のうち、一定の持株要件を満たすもののうち、その会社の経営に従事している者(具体的には下記のすべての要件を満たす者)
■ 持株割合の合計が50%に達するまでの範囲内で上位3順位以内の株主グループに属していること。
■ その株主グループの持株割合が、10%超であること。
■ その使用人の持株割合が、5%超であること。
■ 経営に従事している
①は、わかりやすいと思いますが、ややこしいのは、②の税務上のみなし役員です。
(イ)は、すべての法人が対象で、実質的な経営者が役員の登記をしないで実質的に役員と変わらないような場合です。(ロ)は、「同族会社」(3つのグループの持株割合が50%以上の会社)にのみ適用されます。一定の持株があり、経営に関与している(代表である必要はない)場合です。
どちらの場合も、ポイントは、法人の経営に従事しているかどうかによります。たとえば、「役員会(経営会議等)に出席している」「銀行の借入等重要な業務を行っている」などが経営に従事している判定基準になります。
ご質問の監査役の件ですが、「監査役」は、①会社法上の役員となりますので、税務上も「役員」となり、「使用人(社員)」にはなりませんね。
また、御社は、「同族会社」になると思いますが、②の(ロ)の規定の適用になり、持株割合・経営従事がポイントとなります。
持株割合は、50%、10%、5%で見ればいいのですが、経営に従事しているかどうかは、実質的な判断になりますので、そのスタッフの方が具体的にどのような仕事をするかですね。(創業時から一緒ということは、イメージ的には「信頼できるパートナー」ということで、経営に従事しているように聞こえますね。)
ただ、「役員」であっても「使用人兼務役員」となって、使用人部分の賞与を経費にすることが出来る規定もあります。
要件としては、下記のようなものです。
次の要件のいずれにも該当する者
イ)社長、副社長、代表取締役、専務・常務、監査役等でないこと
ロ)上記の一定の持株要件に該当しないこと(50%、10%、5%)
ハ)職制上の地位を有すること(取締役営業部長、取締役経理部長等)
ニ)常時、使用人としての職務に従事する者であること(非常勤はダメ)
以上ですが、ご質問の内容から推測して、「奥様」と「友人」を役員以外の立場にしておきたいというように感じましたので、それに対するアドバイスとしましてまとめておきますと、
1)ご夫妻で「50%超」の株式を持つ(これで、お2人以外の方は、持株条件からはずれます)
2)奥さんを「監査役」にしないで、経営に従事していないようにする
3)友人を使用人としての肩書き・仕事内容にする
ということになります。
まず、前半の「企業会計」と「組合会計」の大きな相違点ということについてお答えしますね。
A まず、前半の「企業会計」と「組合会計」の大きな相違点ということについてお答えしますね。
その他にもいろいろ、違いがあると思いますが、ここでは省略させていただきます。
A 基本的には、消費税は事業維持する基本的賦課金だけが不課税ですか、現実的には、判定が困難な場合もあります。
消費税は
①国内において、②事業者が事業として、③対価を得て行う、④資産の譲渡等、という条件で課税されることになっています。
組合の場合、問題となるのは、③の対価性があるかどうかということです。「これこれのサービスを受けましたから、これだけのお金を払います。」という関係になっているかどうかを判定する必要があるわけです。
基本の賦課金は、「組合のサービス」と「賦課金」に明確な対応関係がありません。これと同じような性格を持つ「賦課金や会費」があると思いますが、その判定が困難な状況も考えられます。
そこで、消費税法では、明確に判定することが困難なものについては、組合の内部自治として、「対価性がない」としているときには、それを認めると言うことになっています。当然、支払った方は、消費税の「仕入税額の控除」の対象とはなりませんので、整合性はとれていることになります。
例えば、「会報の発行」は、組合員さんに無料で配られるものなのか?それとも賦課金のうち「内○○円は会報の費用」となっているのかで消費税の取り扱いが異なることになります。このあたりは、実務的にはあらかじめ決めておかれた方が良いですね。
次に、府(県)民税・事業税は、一般法人と同じです。
但し、事業税に関しましては、3つ以上の都道府県に事務所等がある場合の「制限税率」の適用はありませんので、たくさんの都道府県に事務所等をおいても一般の税率でOKです。
時価会計は適用されます。税法上、時価評価が強制されているのは、「売買目的の有価証券」ですが、組合法で「売買目的の有価証券」の取得は禁止されていると思いますので、現実的には、適用がないことになります。
問題になるのは、「組合員が脱退するときの分配は時価評価による財産を分配する」という原則(最高裁の判例)が出てくるときでしょうが、一般的な組合には、「土地」「建物」等の高額な財産を持たない場合が多いと思います。
仮に、「不動産」等を保有する予定があるなら、かなり複雑な経理処理が要求されます。
上に書きましたが、税法が要求する「時価評価」は「売買目的の有価証券」だけですので、その調整に「税効果会計」の適用が必要になると思います。「税効果会計」のご説明は、ちょっと複雑になりますので、省略させていただきます。
論としましては、「時価会計の適用が必要だけど時価評価するものはない」ということで良いと思います。
剰余金処理に関しても通常の会社会計と同じです。